私がリウマチを発病したのは、今から約10年前のことです。
その頃、保育士だった私は、保育園でのオーバーワークと転勤先での不安、カルチャーショック、両親の入院などが重なり、心身が疲れ果て、気づかぬうちにストレスがMAXになっていました。食生活も不規則で外食が多く、朝から揚げ物やケーキなどを食べる日もありました。
私は長女なので、いつもどこかで「自分がしっかりしないと」「がんばらないと」と思っていたところがあり、両親の入院時も弟に心配をかけないようにと、家のことも両親のことも全てを1人で抱え込んでいました。気持ち的にいっぱいいっぱいで、時間を見つけては現実から逃れるように遊びにでかけ、少しも休息する時間はありませんでした。
そんなある日、突然背中が板みたいに硬くなって、起きあがれなくなったんです。まともに歩けなくなり、まるでロボットみたい。一度座ったら立ち上がれないなど、仕事にも支障が出てきました。でも、忙しい同僚に「手伝って」とはなかなか言えず、それもストレスになっていました。そして病院でリウマチとの診断を受けました。
最初に飲んだお薬はすぐに副作用が出て、自分に合う薬を探すために色々な薬を飲みました。ステロイドも1mgから始めて5mgまで増えましたが、薬を飲んでも少しマシになった程度で症状はあまり改善せず、でも「飲み続けないと悪化する」とお医者さんに言われたので、怖くて飲み続けていました。
実は私には、最初から「リウマチを治したい」「治そう」という気持ちがありました。でも、その当時の「治す」=「薬を飲み続けたら治る」「良いお医者さんに出会えれば治る」でした。私の育った家庭は、少しの症状でもすぐに薬を飲むという家庭で、両親が薬を飲み続けているのを見てきたので、私にとってこのように考えるのはとても自然なことでした。
なので、リウマチとわかったあとも、薬を飲みながら無理して仕事を続けてしまい、3年後には体がもっとボロボロになっていました。当時23歳の私は、周りの同年代の女性が元気に働いているのに、自分だけ働けなくなるのはイヤだ!という気持ちだけで必死でしがみついていたのです。
そんな中、25歳の時に父が亡くなりました。父が亡くなる1~2年前、動きにくい体を酷使して働き続けようとする父の姿をみて、「なんでそこまでして仕事をするん?」「体が資本やのに」と強く感じ、この事がきっかけで、保育士の仕事を辞めようと決めました。
仕事を辞めてしばらくして、薬がどんどん増えていく治療に疑問を感じ、病院を変えたのですが、別の検査でⅠ型糖尿病であることがわかり、しばらく入院することになってしまいました。入院したことで、数年ぶりにゆっくりすることができ、同室の患者さん達とも仲良くなり楽しく過ごしているうちに、気づけばリウマチの痛みがかなり楽になっていました。
そこで、リウマチの主治医にステロイドを減らしたいことを告げました。糖尿病のこともあり、血糖値をあげるステロイドを絶対減らしたいと思ったからです。それまでは、ずっとお医者さんの言いなりに治療をしていた自分が、初めて自分の意志で自分の治療を決めた瞬間でした。
ステロイドの減薬は、お医者さんの指導のもとでゆっくり行い、リバウンドもあまり感じず、最終的に離脱することができました。その後、1年くらいは何もせず遊んでいましたが、再び「周りは働いているのに、自分は何もしていない」というこだわりが、むくむくと頭をもたげ始め、なれない事務職に就き、ストレスでまた痛みが出るようになっていきました。
そして1年半ほど働いた頃、婚約者と一緒に住み始めることになり、大阪への引っ越しを理由に退職しました。しばらくは解放感と楽しさで、症状も楽になっていましたが、今度は「専業主婦」という枠で自分をしばりつけるようになっていきました。家事はすべてパーフェクトにこなさないと気が済まず、またまたリウマチ症状が現れることに・・・。
また、赤ちゃんを産むことを考えて、リウマトレックスからエンブレルに薬を移行することになったのですが、これが劇的に効いて痛みや炎症をほぼ感じなくなったら、今度は病気のことを忘れて動き回ったり、頑張りすぎたりして、エンブレルもだんだん効かなくなり、痛みがぶり返してきてしまいました。
アーユルヴェーダと出会ったのは、ちょうどその頃です。アーユルヴェーダで治った人の話を聞き、初めて「リウマチを自分で治す」という考えを知りました。さらに、薬によって、自分の体の声を聞くことができなくなっていることに気づき、「無理していても、ストレスがかかっていても、薬を飲んでいたら気づかない。もう薬はやめよう! 一度自分の身体をリセットしたい!」と強く思いました。
それからは病院通いをやめ、自分の体と相談しながら1年半くらいかけて、すべての薬をやめました。精神的なしんどさもあり、いろんな感情が抑えきれずにわき出てきて、甘い物への渇望などがしばらく続きました。体のほうは10年前の最初の症状よりもひどくなり、ほぼ寝たきりの状態になりました。
ほとんど動けない状態になった私が、治すためにやったのは次のようなことです。
・とにかく安静にする
・とにかく寝る
・日中、身体を温める為に半身浴をしたかったけれど、浴槽にたどり着けない状態だったので、布団の中で温まっていた
そのうち少し動けるようになってからは、次のようなことも行っていきました。
・外に出て歩く。
・誰かと出かける(体を動かすと柔らかくなるのが分かった)
・アーユルヴェーダ
・菜食
・漢方
・リウマチ感謝さんの本を読んだり、セミナーに出て「治る」と信じる
・岩盤浴
・半身浴
・瞑想
・オイルマッサージ
・デトックス
・呼吸法(これはあまり上手にできなかった)
・元気とか治ったとか書いた紙を部屋にはる
・旅行
・友達と楽しくしゃべる など
さらに、ほとんど治りかけの頃からやりはじめたこと
・断捨離(片づけ)
※これをやってから急激に治るスピードがアップした
・引っ越し作業
・クエスト社のサプリメントでの栄養補強
・おそうじ
・読書
・歯のかみ合わせ矯正 など
この頃には、散歩の距離が延びました。また、今まで車行動だった私が車を断捨離し、移動が徒歩・自転車・電車に変わりました。これもだいぶ変わったきっかけや、元気になった証でもありました。
これらを行って気づいた大きな変化は、以前に「楽しい」と感じていたことと、今の「楽しい」と感じることが違うことです。家事の量もグンと減らして、自分の時間を大切にし、好きなことをやったことが、良かったのだと思います。そして、みんなに“合わせる”のではなく、自分のペースに合わせてもらうこともできるんだ、がんばらなくてもいいんだ!と思えたことも。
今では、3駅半くらいの距離を歩いても平気になり、体力もつき、ストレスも減り、毎日を楽しく過ごせています。この前は、ゆっくりですが都内の高尾山にも登ってきたんですよ!
無理をしすぎると、まだリウマチらしき症状が少し出る日もありますが、私自身は「もう自分はリウマチではない」と思っています。私は変わりました。以前の自己犠牲的で自分を縛りつける生き方をやめ、自分を大切にできるようになりました。寝たきりの状態から復活した今、わずかに残った症状も、いずれ勝手に消え去ると確信しています。
【埼玉県 むつみさん 2012年10月10日記】
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