ここでもうひとつ、皆さんに「ホリスティック」という概念についてもお伝えしたいと思います。ホリスティックという言葉は、ギリシャ語の「ホロス(holos)=全体を意味する」という言葉が語源となっています。
あるものは他のすべてのものにつながっています。どんな小さな個の中にも、そこには全体性が内在していますから、個と全体は異なっているように見えて、実はひとつとも言えるのです。よく人体は小宇宙だと言われるように、自然界のあらゆるものから細胞のひとつひとつに至るまで、そこには宇宙全体の法則(螺旋構造、波動の法則、78:22の法則など)が作用しています。宇宙に存在するすべてのものは、この法則に従って存在しているということになります。
ですから、ホリスティックという視点での治療には、西洋医学・東洋医学・自然療法といった「分類」はありません。また、治療というと「身体」に施すものという考えが一般的かと思いますが、ホリスティックの観点では、身体・心・魂といった「分類」もありません。目に見えるもの・目に見えないものといった「分類」もありません。自分・他人の「区別」もありません。もっというと「治療」という言葉も使うより、「ホリスティックな在り方」というほうが適切かもしれません。
もし、ホリスティックな在り方を目指すのであれば、「自分を癒すことで、周囲が癒され、自然が癒され、全体が癒される」、「全体を癒す、自然を癒す、周囲を癒すことで、自分が癒される」というように、”個としてだけでなく全体とつなげてみる力”が試されます。それと同時に、目に見える物質の世界と目に見えないエネルギーの世界をも、別のものとしてみるのではなく、同時に存在するものとしてつなげてみることが試されます。
とはいえ、症状が重い時期は、どうしても自分の身体や痛みに目が向いてしまい、こういった視点がもてないのは仕方がないことだとおもいます。まずは、目に見えるところや、痛みや症状への対処や、身体へのアプローチから行っていくのも、決して間違いではありません。でも、最初からホリスティックな視点を持てているほうが、本当の意味での癒しが起こるスピードが速まるのも事実です。
最初は「簡単にできるところ」「自分で気がつけたこと」「目の前のこと」に取り組みはじめながら、徐々に意識を「全体」に広げていく。今いきなりは無理だと感じても、そういった視点の持ち方があるんだと知っておく。目指す方向性の最終到達点として「ホリスティックな在り方」を目指す。それだけでも、「自分のための治療法」が見えてきやすくなるのではないかとおもいます。
0コメント